「慣れました」と言う人ほどすごい仕事をしている|広島の採用ホームページ制作会社の本質論
「高所作業、怖くないですか?」
現場を取材していると、思わずそう尋ねてしまう瞬間があります。
地上何十メートルという足場の悪い高所。
巨大な重機をミリ単位で自在に操る運転席。
グラグラと揺れる船の上や、寒風が吹き荒ぶ橋の整備現場。
高所恐怖症でなくとも、私から見れば足がすくむような「恐怖」と「緊張感」が隣り合わせの現場です。
けれど、社員さんたちから返ってくる答えは、驚くほどあっさりしています。
「最初は怖かったですよ。でも、慣れました」
ニコッと笑って、また手元に視線を戻す。その一言を聞くたびに、私は胸の奥で静かに唸ってしまいます。
「慣れました」
たった五文字の、何気ない一言です。でも、そのたった五文字の中に一体どれだけの年月とドラマが詰まっているのでしょうか。
初めて足場に立った日、膝が笑って思うように体が動かなかったかもしれない。
道具の使い方もおぼつかず、厳しく温かい先輩に何度も怒鳴られたかもしれない。
自分の力不足に落ち込み、帰りの車の中で悔し涙を流した日もあったはずです。
逃げ出さずに何度も同じ作業を繰り返し、少しずつ体が動きを覚え、危険を見極める目が養われ、自信がつき、いつしか恐怖を制して「当たり前」になっていった。
数年、あるいは十数年という膨大な努力と苦労の積み重ね。
それを、彼らは「慣れました」というたった一言で片付けてしまうのです。
私は35年間、紙のパンフレット時代から今に至るまで、何百社という会社を取材し、何千人もの現場の人々と向き合ってきました。
そして長年の取材を通じて、一つの真実に辿り着いています。
本当にすごい仕事をしている人ほど、自分のすごさを絶対に自慢しない。
「どれだけ大変だったか」を大げさに語ることもなければ、「どれほど努力したか」を武勇伝のように鼻にかけることもありません。
「夏なんだから、暑いのは当たり前ですよ」「営業は、想像していたよりもずっと、ずっとしんどいです」「普通ですよ。ただ慣れただけです」
そんな風に、照れくさそうに笑って済ませてしまうのです。
けれど、現場に足を運ぶ第三者の私には分かります。
それは決して「誰にでもできる普通」ではありません。確かな経験と葛藤を重ねてきたからこそ到達できた領域であり、その人だからこそ現場を任されているという、揺るぎない信頼の証なのです。
ただ、本人にとってはそれが日々の暮らしであり、当たり前になりすぎているだけなのです。
私が「社長の話より、社員の話の方が面白い」と感じる最大の理由も、まさにここにあります。
「社長が語る会社より、社員が語る会社の方が面白い|広島の採用ホームページ制作会社が教える「揃える」求人戦略」
社長が語るのは、未来の大きな夢や経営理念です。それももちろん大切ですが、社員さんが語るのは、泥くさく戦った「今日一日の出来事」です。
一見するとどこにでもある雑談のようですが、そのやり取りの中にこそ、技術の継承や人を育てる風土、その会社が長年培ってきた「本物の文化」が透けて見えてきます。
だから私は、社員インタビューの時間が好きで好きでたまりません。
「さあ、会社の強みを教えてください」と真面目に質問したところで、本当の価値は出てきません。
世間話をしながら、カメラの横で笑い合っているうちに、本人が価値だとすら思っていない言葉がポロッとこぼれ落ちる。
私は、その「奇跡のような瞬間」をずっと待っているのです。
「慣れました」
今回も、取材の現場でその一言を聞きました。けれど、35年間現場の言葉を聞き続けてきた私の耳には、その言葉がこう聞こえて仕方がありませんでした。
「逃げずに何年もかけて、私はここまで来ました」
私が作っているのは、単なる綺麗なホームページや採用サイトではありません。
本人が当たり前すぎて気づいていない「誇り」を見つけ出すこと。
そして、「慣れました」という一言の裏に隠された幾重もの努力を、未来のお客様やこれから仲間になる未来の社員へと届く「伝わる言葉」に変えていくこと。
「うちの現場には、特別な強みなんてないよ」そう謙遜する社長や社員さんに会うたびに、私は心の中で静かに思います。
大丈夫です。あなたの会社の現場には、まだ言葉になっていない「頭が下がる価値」が今日も静かに息づいていますよ、と。
それを見つけ、言葉にして手渡していくこと。それが、35年間変わらずこの道を歩んできた、私の本当の仕事なのだと思っています。
頭が下がる仕事ほど、自慢をしない|広島の採用ホームページ制作会社が教える「揃える」求人戦略
「しんどい」という本音が、一番心を動かす|広島の採用ホームページ制作会社が教える「揃える」求人戦略
社長が語る会社より、社員が語る会社の方が面白い|広島の採用ホームページ制作会社が教える「揃える」求人戦略
FAQ
「なぜ社員インタビューが採用活動に役立つのですか?」
「AI時代に社員インタビューは必要ですか?」
「採用サイトに必要なコンテンツは何ですか?」
1961年生まれ。広島県広島市出身。広島修道大学中退後、リクルート、カーディーラーの採用・教育担当を経て、企業内の体質改善・採用・教育コンサルタント会社として、1991年2月有限会社オフィスCAN(現 株式会社カンドウコーポレーション)を設立。その後思い切った業態転換により、クリエイティブファームとしてのポジションを確立する。
福原 勘二のプロフィール