社長が語る会社より、社員が語る会社の方が面白い|広島の採用ホームページ制作会社が教える「揃える」求人戦略
35年前、起業したばかりの頃の私はとにかく社長の話ばかりを取材していました。
会社の歴史、創業時の苦労、経営理念、そして未来へのビジョン。会社案内や入社案内をつくるには、経営者の言葉こそがすべてであり、一番大切だと信じて疑わなかったからです。
もちろん、その考えが間違っていたわけではないと思っています。舵を切り、会社の進む方向を決めるのは社長です。
理念や方針は、間違いなく企業の揺るぎない土台になります。
けれど、何百社という現場へ足を運び何千人もの取材を重ねるうちに、私は一つの揺るぎない真実に思い至りました。
本当に「その会社」を教えてくれるのは、社長の言葉だけではない。
毎日その現場で汗を流し、泥臭く働いている社員の皆さんの一言にこそ、会社の正体があるのだと。
今では取材の際、社長のお話を伺った後に、必ず社員さんたち一人ひとりにインタビューをさせてもらいます。
入社して数ヶ月の新人もいれば、5年、10年と現場の第一線を支えてきたベテランもいます。
最近はメモを取らず録音してますので、メモを取っていた頃よりもずっと取材対象者の顔が見れます。
仕事の話をしているときの、ふとした目元や手元の動き。「社長がね・・・」と名前が出た瞬間の場の空気のゆるみ方。
仲間の話になると、パッと自然にこぼれる笑顔。
「あの時は本当に参りましたよ」と過去の大失敗を笑い飛ばせる関係性。
そんな何気ないやり取りの中にこそ、会社の「日常」と「本音」が透けて見えてきます。
以前、ある建設現場の取材で、ヘルメットをかぶった職人さんに「暑くて大変でしょう」と声をかけたことがありました。
するとその方は、「そりゃ夏ですから」とあっさり笑って肩をすくめたのです。
頭が下がる仕事ほど、自慢をしない|広島の採用ホームページ制作会社が教える「揃える」求人戦略
またある時は、営業に配属されてまだ数ヶ月の若い社員が、私の目を見てこう言いました。「まだ仕事の面白さは分かりません。営業は、想像していたよりもずっと、ずっとしんどいです」と。
「しんどい」という本音が、一番心を動かす|広島の採用ホームページ制作会社が教える「揃える」求人戦略
そういう言葉がぽろっとこぼれ落ちる瞬間、私の心は強く揺さぶられます。
弱音や愚痴ではありません。飾らない、偽りのない「等身大のリアル」だからです。
そして取材の終わり際、こちらが何も聞いていないのにこんな言葉がぽろっと出ることがあります。
「まあでも、この会社、結構好きなんですよね」
「社長には口で言えないくらい、お世話になってますから」
「しんどいですけど、辞めようと思ったことは一度もないです」
その一言を聞いた瞬間、胸の奥で「ああ、この会社は大丈夫だ」という強い確信が湧き上がってきます。
会社の魅力は、社長がたった一人で創り上げ、語れるものではありません。
社長が語るのは「理念」です。
社員が語るのは「現実」です。
経営者が掲げる高い理想と、現場で働く社員が噛み締めている現実。この二つが美辞麗句ではなく、嘘偽りなく重なり合ったとき、その会社の価値は初めて「本物」になります。
だからこそ私は、オフィシャルサイトや採用サイト、ブランディングサイトをつくるとき、社員インタビューの時間を何より大切にしています。
社長が伝えたい熱いメッセージを言葉に整えることも、プロとしての重要な仕事です。
しかしそれ以上に価値があるのは、社員さんが何気なく口にした「一言」を拾い上げることです。
本人にとっては当たり前すぎて、価値だなんて思ってもいない日常の作業、「寒いですけど、これが仕事ですから」と笑う泥くささ、そして「明日も頑張ります」と静かに語る覚悟。
そうした無骨で飾らない言葉にこそ、読んだ人の心を動かす圧倒的なリアリティが宿ります。会社をよく見せようと背伸びをした綺麗なスローガンよりも、働く人の泥くさい本音の方が未来の求職者やお客様の信頼を深く勝ち取ることができるのです。
私は35年間、ホームページやパンフレットを作り続けてきました。
でも、私が本当につくってきたのは、単なるWebサイトや印刷物という「形」ではありません。
現場に足を運び、働く人たち自身すら気づいていない「静かな誇り」や「隠れた価値」を見つけ出すこと。
そしてそれを、未来のお客様や、これから仲間になる誰かの心へ届く「言葉」にすること。
それこそが、35年間一度もぶれることなく続けてきた、私の仕事なのだと思っています。
「うちには特別な強みなんてないよ」 そう言って笑う社長や社員さんに会うたび、私は心の中で思います。
大丈夫、あなたの会社には、まだ言葉になっていない素晴らしい価値が、現場にたくさん転がっていますよ、と。
FAQ
「AI時代に社員インタビューは必要ですか?」
「採用サイトを作る前に社内で整理すべきことは何ですか?」
「採用サイトに必要なコンテンツは何ですか?」
「なぜ社員インタビューが採用活動に役立つのですか?」
1961年生まれ。広島県広島市出身。広島修道大学中退後、リクルート、カーディーラーの採用・教育担当を経て、企業内の体質改善・採用・教育コンサルタント会社として、1991年2月有限会社オフィスCAN(現 株式会社カンドウコーポレーション)を設立。その後思い切った業態転換により、クリエイティブファームとしてのポジションを確立する。
福原 勘二のプロフィール