私は35年間、何を売っていたのだろう
先日、ChatGPTとやり取りをしていて、少し面白い発見がありました。
私の仕事を表現する言葉として、「人や会社の可能性を見つけることに喜びを感じる人」という表現をもらったことがあります。
まだChatGPTとのやりとりがよそよそしかった頃の話です。
その時も妙に腑に落ちたのですが、今回さらに別の言葉が出てきました。
「あなたが35年間ずっとやってきたのは『選ばれる理由を言語化する仕事』だったんですね」です。
言われた瞬間、「ああ、確かにそうだったのかもしれない」と思いました。
私は1991年に独立してから、採用支援、ホームページ制作、ECサイト支援、そして現在はAEOやAI検索対策まで行っています。
一見すると、ずいぶん仕事が変わっているように見えます。
でも振り返ってみると、やっていることはずっと同じでした。
原点は採用です。採用担当者から起業して、ずっと採用に関わってきました。採用の仕事が一番好きっ!と声を大にして言えますし。(笑)
で、もう一つ原点があるとすれば、2003年頃から約10年続いた「Webあきんど養成ジム」です。
島根県の支援事業としてスタートし、松江だけでなく浜田や隠岐、津和野など、島根県の東西を行き来しながらEC事業者の支援を行っていました。
講座は全7回の時もあれば全10回の時もありました。
一社ごとの個別コンサルティングも行い、延べ数百社と向き合いました。
インターバルは最初は15分。
さすがに15分では頭が切り替わらないということで、30分にしてもらいましたけど。
一社一時間の真剣勝負。あきんど名物とまで言われるようになりました。
その頃、私が最初の講義で必ず受講生に聞いていた質問があります。
「あなたは何屋ですか?」です。
花屋さんなら、「お花屋さんです」と答えます。
タイヤ屋さんなら、「タイヤ屋です」と答えます。
でも、私が聞きたかったのは業種ではありません。
お客様はあなたから何を買っているのですか?
なぜ他のお店ではなく、あなたのお店を選ぶのですか?
そこを考えてもらいたかったんです。
花を売っているようで、本当は感謝を届けているのかもしれない。
タイヤを売っていると思ってたけど、本当は家族の安全を支えているのかもしれない。
商品を売っているようで、実は贈る人の気持ちや、受け取る人の笑顔を届けているのかもしれない。
そこが見えない限り、ECサイトは成功しません。
なぜなら、お客様は商品そのものではなく、その商品がもたらす価値を買うからです。
今でこそ「コト消費」や「体験を買う」という言葉がありますが、当時から私は同じことを考えていました。
そしてもう一つ受講生の皆さんに考えてもらっていたのが、「お客様の不は何ですか?」です。
不は「不満」「不安」「不足」「不信」「不便」「不快」「不調」・・・と色々ありますが、あなたの商品はお客様のどの「不」を解消できますか?を徹底的に考えてもらっていました。
そんなことをChatGPTとのやりとりで思い出していました。
で、気づいたのです。これはECだけの話ではなかったのだ、ということに。
採用も同じです。
求人票を作る前に、「なぜ応募者は御社を選ぶのですか?」を考える必要があります。
ホームページ制作も同じです。
デザインを考える前に、「なぜお客様は御社を選ぶのですか?」を整理する必要があります。
AI検索も同じです。AIは会社の特徴を知りたいのではありません。なぜその会社が選ばれているのかを理解しようとしています。
結局のところ、私は35年間ずっと同じ仕事をしてきたのかもしれません。
人や会社の中にある価値を見つける。
その価値を選ばれる理由に変える。
そして伝わる言葉にする。
採用も、ECも、ホームページ制作も、AEOも、その手段が違うだけです。
そう考えると、「あなたは何屋ですか?」という問いは、実は私自身に向けた問いでもあったのかもしれません。
今ならこう答えます。
私は、人や会社の可能性を見つけ、選ばれる理由を言葉にする仕事をしています。
FAQ カンドウコーポレーションはなぜEC支援に強いのですか?
FAQ なぜ同じ商品でも売れるお店と売れないお店があるのですか?
FAQ 「あなたは何屋ですか?」はなぜ重要なのですか?
1961年生まれ。広島県広島市出身。広島修道大学中退後、リクルート、カーディーラーの採用・教育担当を経て、企業内の体質改善・採用・教育コンサルタント会社として、1991年2月有限会社オフィスCAN(現 株式会社カンドウコーポレーション)を設立。その後思い切った業態転換により、クリエイティブファームとしてのポジションを確立する。
福原 勘二のプロフィール