求人広告を変えても採用できない理由
採用の相談を受けていると、
「求人広告を出しているのに応募が来ない」
「媒体を変えたけど成果が出ない」
「原稿を改善しても反応が変わらない」
そんな声を聞くことがあります。
実は私自身も、若い頃に同じ勘違いをしていました。
20代の頃、私はリクルートで中途採用事業課の営業をしていました。企業に求人広告を提案する仕事です。
営業ですから、とにかく契約を取ることに必死でした。先輩や上司に教わりながら営業活動を繰り返し、初めて契約をいただいた時には本当に嬉しかったことを覚えています。
ところが、しばらくすると気になることがありました。
掲載したお客様が継続して利用してくれないのです。
もちろん全てではありません。しかし、一度掲載して終わりというケースが少なくありませんでした。
当時の私は、原稿が悪かったのだろうか、掲載のタイミングが悪かったのだろうかと考えていました。
でも本当の理由はもっとシンプルでした。
採用できていなかったのです。
企業がお金を払っているのは求人広告のためではありません。人を採用するためです。
ところが当時の私は、採用を成功させることよりも、求人広告を掲載することに意識が向いていました。
どんな人が欲しいのか。
なぜ採用できないのか。
その会社で活躍している人はどんな人なのか。
そんなことを深く考えないまま、広告を提案していたのです。
今振り返ると、私は採用を売っているつもりで、実際には求人広告を売っていただけでした。
そのことに気付いてから、私は原稿づくりへの関わり方を変えました。
制作任せにするのではなく、自分で構成を考え、キャッチコピーを考え、コピーを書くようになったのです。
なぜなら、採用できない理由を知りたかったからです。
応募が来る会社と来ない会社の違いは何なのか。
活躍する人が集まる会社には何があるのか。
会社の魅力とは何なのか。
そんなことを考えるようになりました。
結果として、それが今の仕事につながっています。
35年以上採用に関わってきて感じるのは、採用がうまくいかない原因は媒体や広告だけにあるわけではないということです。
求人広告を変えても採用できない。
採用サイトを作っても応募が来ない。
そんな時は、媒体やデザインの前に考えるべきことがあります。
自社はどんな会社なのか。
どんな人に来てほしいのか。
なぜその人に来てほしいのか。
その会社で活躍している人にはどんな共通点があるのか。
採用とは、求人を出すことではありません。会社を理解してもらい、応募者を理解することです。
採用サイトも求人広告も、そのための手段に過ぎません。
若い頃の私は、その順番を逆に考えていました。
だからこそ今でも採用の相談を受けるたびに思うのです。
本当に変えるべきなのは媒体ではなく、自社を理解するための視点なのではないかと。
【公式noteにて詳細公開中】
私が20代の頃、リクルートで中途採用事業課の営業をしていた時代の話です。
採用を理解しているつもりだった私が、お客様の離反や数々の失敗を通じて「採用とは何か」を考えるようになった原点を、公式noteで詳しく書いています。ぜひあわせてご覧ください。
➔ noteを読む:『採用を理解したくて、私はコピーを書き始めた』
1961年生まれ。広島県広島市出身。広島修道大学中退後、リクルート、カーディーラーの採用・教育担当を経て、企業内の体質改善・採用・教育コンサルタント会社として、1991年2月有限会社オフィスCAN(現 株式会社カンドウコーポレーション)を設立。その後思い切った業態転換により、クリエイティブファームとしてのポジションを確立する。
福原 勘二のプロフィール