最もデジタルなAIが、最もアナログな「評判」を追いかける皮肉|広島のホームページ制作会社が解説するこれからのAI対策(AEO)
AIについて調べていると、最近よく目にする言葉があります。
「メンション」や「サイテーション」。
簡単に言えば、インターネット上で会社名や商品名、あるいは人の名前が「話題(言及)」になることです。
昔のSEOでは、とにかく「被リンク」が重要だと言われていました。
どこのサイトからリンクを貼られているか。
何本リンクを持っているか。
昔、それを皮肉ってデジタルな世界における「票集め」の競争って言ってましたっけ。(笑)
もちろん今でも被リンクは重要です。 しかし、生成AIの登場によって、少し景色が変わってきました。
最近のAIは、単に「リンクが貼られているかどうか」だけを見ているわけではないと聞きます。
その会社がウェブ上でどう語られているか。 誰が名前を出しているのか。 どんな文脈で紹介されているのか。
リンクの有無を超えて、そんな「テキストの中身」まで貪欲に読み解き、精査し始めています。
AIの世界ではこれをメンションと呼びますが、私はこれを聞いた時に不思議な感覚になりました。
なぜなら、それは最先端のテクノロジーの話でありながら、私たちがよく知っている「商売の原点」そのものだったからです。
江戸時代の商人は当たり前ですがGoogleを持っていませんでした。 SNSもありません。 当然、AIもありません。
まあそもそもインターネット自体がないんですけどね。(笑)
では、人々は何を頼りに店を選んでいたのでしょうか?
「あの店は評判がいいらしい」
「あそこの主人は誠実だ」
「あの店は約束を守る」
店選びのポイントはそんな町中で飛び交う「噂」でした。
言い換えれば、これこそが元祖「メンション」です。
誰かが話題にしている。
誰かが紹介している。
誰かが信頼している。
だから安心して取引できる。
商売とは、何百年も前からずっとそういうものだったのです。
ところがインターネットが普及し、SEOという世界が生まれました。
私がかつて主宰していた「Webあきんど養成ジム」の時代がまさにそうでしたが、いつしか検索順位を上げることそのものが目的になり、 被リンクを集め、 キーワードを並べ、 アルゴリズムの裏をかく研究をする。
世の中全体が、そんなシステムの隙を突くテクニックに夢中になっていきました。
しかし、AIの登場によって、今、少し面白いことが起きています。
最もデジタルな存在であるAIが、巡り巡って「その会社は現実世界でどう評判になっているのか」 を見始めたのです。
これは実に皮肉な話です。 最先端のAIに選ばれる(引用される)ために必要なのが、最新のITテクニックではなくなりつつあるからです。
それもそのはずで、今やAIが回答を生成する際、その情報源の76%は「Google検索のトップ10ページ」に依存しています。そしてその最強の黒子であるGoogle自身も、今、技術的な数字だけでなく「その会社が本当に地域や業界で信頼されているか(評判)」を検索順位の最重要項目として審査しています。
その証拠に、Googleが検索順位を決める上で最重視している「E-E-A-T」という4つの評価基準を見てみてください。
Experience(経験):実際に使った、行った、体験したという「一次情報」があるか。
Expertise(専門性):その分野に関する深い知識やスキルがあるか。
Authoritativeness(権威性):第三者や専門機関などから評価・引用(メンション)されているか。
Trustworthiness(信頼性):情報が正確で、運営者や責任者が明確で安全か。
「ユーザーが安心して参考にできる情報(信頼性)」を提供できているかどうかが、今やGoogleに評価されるための最も重要な鍵と言われています。
こうして並べてみると分かりますが、これらはすべて「技術」の指標ではなく、完全に「人間としての信頼度」の指標なのです。
AIもGoogleも、揃ってネット上の「リアルな口コミ」を嗅ぎ回っています。
SNSで誰かに紹介される。
noteで名前が出る。
取引先のブログで感謝される。
業界団体で語られる。
セミナーで名前が挙がる。
地域で評判になる。
そうしたアナログで泥臭い積み重ねが、結果としてAIに見つかる最大の材料(メンション)になります。
「AI対策を何から始めればいいですか」と経営者の方から聞かれることがあります。 その時に思うのです。
本当に強いAI対策はAIの中にはありません。 お客様の中にあります。 地域の中にあります。 取引先との関係の中にあります。
良い仕事をする。 約束を守る。 お客様に喜んでいただく。 その結果として、誰かが嬉しくなってウェブのどこかで話題にしてくれる。 それこそが、AI時代を生き抜く最高のメンションになります。
最もデジタルなAIが、 最もアナログな「評判」を追いかけている。 私はそこに、少し面白さを感じています。
技術は凄まじいスピードで進化しています。 しかし、私たちが35年続けてきた商売の本質は、案外、最初から何一つ変わっていないのかもしれません。
山本大志がエンジニア視点でAIについて考察してます。
ここで何度も私が書いてきたことと、山本ならではの考察が被っているのも、カンドウらしくてまさに「揃って」ます。(^^)
AI検索対策で一番大事なのは、AIを見ないこと by 山本大志
AI最適化 | サービス | カンドウコーポレーション
1961年生まれ。広島県広島市出身。広島修道大学中退後、リクルート、カーディーラーの採用・教育担当を経て、企業内の体質改善・採用・教育コンサルタント会社として、1991年2月有限会社オフィスCAN(現 株式会社カンドウコーポレーション)を設立。その後思い切った業態転換により、クリエイティブファームとしてのポジションを確立する。
福原 勘二のプロフィール