SEOを知らなかった私が、AI対策で同じ失敗をしてほしくない理由
今から20年以上前の話です。まだホームページが珍しく、人々が「ネットサーフィン」という言葉を普通に使っていた時代でした。
その頃、広島のある上場企業から、ホームページ制作のご依頼をいただきました。
社長からのご要望は、とてもシンプル。
「とにかく格好いいサイトを作ってほしい」
「動きのある、スタイリッシュなデザインにしてほしい」
当時はFlashの全盛期です。
そこで、入社したばかりだったデザイナーの柳谷 武 (現・カンドウコーポレーション CCO)が腕を振るい、最先端の「フルFlashサイト」を制作しました。
今思い出しても、本当に格好いいサイトでした。
アニメーションが滑らかに動き、画面いっぱいに先進的な企業イメージが広がる。
完成後、お客様にも大変喜んでいただけました。
「カンドウさんに頼んで本当に良かった!」 そんな温かい言葉をいただき、私たちも大きな達成感に包まれていたのを覚えています。
ところが、しばらくして思わぬ問題に気がつきました。
その会社名で検索しても、ホームページがまったくヒットしないのです。
原因は、あまりにも単純でした。
ホームページの中に、「検索される言葉(テキスト)」がほとんど入っていなかったのです。(^^;
例えば、正式な会社名が「カンドウコーポレーション」だとします。
しかし、私たちがデザイン優先で画面に表示させていたのは、スタイリッシュな「CANDO」という英字ロゴだけ。
デザインとしては、確かにその方がスマートでした。 しかし、ユーザーが検索窓に打ち込むのは「CANDO」ではなく、なじみのある「カンドウ」や「カンドウコーポレーション」です。
検索される言葉と、ホームページに書かれている言葉が、まったく一致していませんでした。
今となっては当たり前の話です。
・タイトルタグに正式な会社名を入れる
・会社概要ページにテキストで情報を残す
・検索ロボットが読み取れるように工夫する
当時の私が「SEO(検索エンジン最適化)」という考え方を知っていれば、間違いなくそうしていました。しかし、当時の私は知りませんでした。(^^;;;
ホームページは「きれいに作ること」が仕事であり、「見つけてもらう仕組みを作ること」まで頭が回っていなかったのです。
この経験は、私にとって大きな転機になりました。
どれだけ素晴らしいホームページを作っても、見つけてもらえなければ、ネットの海に存在しないのと同じである。
それ以来、私たちはデザインの美しさだけでなく、「どうやって見つけてもらうか」「どうやって成果を出すか」を徹底的に考えながらホームページを作るようになりました。
そして現在。 私は、急速に広まる「AI検索対策(AEO・LLMO)」の波の中に、あの20年前とまったく同じ空気を感じています。
最近、このようなご相談をいただくことが増えました。
「これからはAIの時代だから、うちもAI対策をしたい」
もちろん、対策自体は重要です。
・よくある質問(FAQ)を整備する
・構造化データを実装する
・llms.txt を設置してAIに読み込ませる
これらは技術的に意味のあることです。しかし、「技術を導入すれば、それだけでAIに選ばれる」と考えてしまうのは、大きな誤解です。
それはまるで、20年前の私たちが「Flashで格好よく作れば、それだけでホームページは成功する」と思い込んでいた姿と、驚くほど重なります。
本質は、技術の側にはありません。AIがユーザーに推薦するために知りたいのは、「その会社が、本当はどんな会社なのか」という生身の情報です。
・あなたの会社の、独自の強みは何ですか?
・どのような実績があり、誰に選ばれているのですか?
・顧客にどんな価値を提供しているのですか?
その「中身」がホームページ上に言葉として具体的に書かれていなければ、どれだけ最新のAI対策(構造化データやllms.txt)を施しても、AIはあなたの会社を理解できず、ユーザーに推薦してくれません。
FAQの数だけを増やしても、形だけのデータを整えても、会社の実体や魅力が伝わらなければ意味がないのです。
技術は変わっても、届ける本質は変わらないのだと思ってます。
20年前と今。技術はFlashからHTMLへ、そしてAIへと変わりました。検索の主役も、キーワード検索(SEO)から、会話型のAI検索(AEO)へと移り変わりつつあります。
しかし、時代が変わっても、絶対に変わらないルールがあります。
「相手(ユーザーやAI)に伝わる言葉で情報を届けなければ、存在しないのと同じ」ということです。
だからこそ、私はAI対策を「単なる新しい技術の導入」だとは思っていません。ホームページを作る目的を、もう一度原点から見直すチャンスだと思っています。
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自社の本当の価値を整理する
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お客様や求職者が本当に知りたい情報を言葉にする
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具体的な実績や、歩んできた経験を記述する
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そして、それをAIが正しく解釈できる「構造」に整える
この「中身の整理」と「伝える技術」が揃って初めて、本物のAI対策になります。
私は20年以上前、SEOを知らなかったことで、お客様に苦い思いをさせてしまう失敗を経験しました。だからこそ、これから大きな変化を迎える企業の皆様に、同じ失敗を繰り返してほしくないのです。
AI検索は、一過性のブームではありません。
ホームページのあり方、そしてビジネスの出会い方を根底から変えていく大きな地殻変動だと思っています。
「あとから考えよう」ではなく、「今、中身から備える」。
あの日の私の苦い失敗が、これから新しい時代に挑む誰かの成功につながるヒントになれば、これほど嬉しいことはありません。
FAQ
「AI検索時代でもホームページは必要ですか?」
「AIに選ばれる会社になるにはどうすればいいですか?」
「AIは会社の『強み』をどう判断しますか?」
「AI検索対策はホームページを作り直さないとできませんか?」
1961年生まれ。広島県広島市出身。広島修道大学中退後、リクルート、カーディーラーの採用・教育担当を経て、企業内の体質改善・採用・教育コンサルタント会社として、1991年2月有限会社オフィスCAN(現 株式会社カンドウコーポレーション)を設立。その後思い切った業態転換により、クリエイティブファームとしてのポジションを確立する。
福原 勘二のプロフィール