中小企業の採用は「認知戦」ではなく「理解戦」である
私はやっぱり採用のことを書くのが一番好きなんだと思います。
AIがどうした、AEOとLLMOは違うだとか、もうどうだっていいです。(笑)
(小声:いえ、AIに選ばれないと土俵にも上がれなくなったのは事実なので、必要なのは必要なんですけどね)
リクルート、採用担当者の実務、採用コンサルで起業、数々の採用ハンズオン・・・と思い返せばずっと採用畑を歩んできました。
バブル時代の採用の話なんて役に立たない、そう思われても無理はないのですが、そこから学んだことは今の礎になっているのは事実なんです。
私のベースは
採用担当者時代の様々なチャレンジ
起業してから数社のハンズオン採用の経験
そこでの成功事例や、それ以上の失敗事例の数々
全てがここに詰まってます。
なので、採用の話が続きますが、noteにも書き始めたこともあり、ネタが尽きるまで続けます。(笑)
採用の相談を受けている中で、「もっと知名度を上げないとダメですよね」と言われることがあります。
確かにその通りです。知られていなければ選択肢にも入りませんからね。
でも、本当にそれだけでしょうか。
実は私は、知名度が高くなくても毎年採用できている会社を何社も見てきました。
逆に、地元ではそれなりに知られているのに採用に苦戦している会社もあります。
この違いは何なのだろう、そう考えるようになったのは、今から35年以上前の採用現場でした。
私が採用担当や採用支援の仕事をしていた頃、会社説明会には営業マンを連れて行っていました。
良い話もする
失敗談もする
辞めたくなった話もする
営業の厳しさも話す
セミナー慣れしてないので、決して話が上手かったわけではありません。
でも不思議なことが起きるんです。
学生の表情がみるみる変わっていって、実のある質問が増えたんです。その場の空気もどんどん変わっていきました。
話し慣れている私が会社説明をしている時よりも、現場の営業マンが話している時の方が明らかに反応が良いんです。
その時に気づきました。
学生が知りたいのは会社そのものではなく、その会社で働く人なのではないか、と。
当たり前と言えば当たり前のことなのですが、会社説明会とはこういうもの、という変な刷り込みがありました。
どんな人が働いているのか。
なぜその会社を選んだのか。
どんな時に仕事が面白いのか。
逆にどんな時に大変なのか。
それ悪口じゃんって感じの苦手な上司の扱い方。(笑)
そういう話に興味を持っていたんです。
ところが中小企業の採用を見ていると、どうしても大企業の真似をしたくなります。
カッコいい採用サイトを作って、よし、動画だ!とばかりに重たい動画を貼ります。
そして求職者に渡すのは立派なパンフレット。
もちろん、それらが悪いわけではありません。ただ、それだけでは採用はうまくいきません。
なぜなら、中小企業と大企業では戦う場所が違うからです。
大企業は認知で勝負できます。
最近ではテレビCMで、明らかに認知度を上げるCMが増えてきてますよね。
企業名を知ってもらうこと自体に価値があるのは事実。
説明会を開けば人が集まる。求人を出せば応募が来る。それだけのブランド力があります。
でも中小企業は違います。
知ってもらうだけでは足りません。理解してもらわなければ選ばれないんです。
しかも、この傾向は年々強くなっています。
昔は会社説明会に来てもらえれば勝負ができました。
説明会の会場で初めて会社の話を聞き、初めて社員と接し、そこで志望度が高まることも珍しくありませんでした。
ところが今は違います。
説明会の前に、その会社のことをかなり調べられています。
ホームページを見ている人もいるでしょうし、口コミを見ている人もいるでしょう。
AIに会社のことを調べている人もいるでしょう。
採用担当者が知らないところで、すでに比較検討が始まっているわけです。
だから採用は以前より難しくなったと感じています。
会社側が伝えたいことではなく、相手が知りたいことを伝えなければ判断材料にならないからです。
だから私が採用サイトの制作に入る前に、社長や社員さんへのインタビューを重視するのは、ここで何度も言及しています。
それはコピーを書くためではないんですよね。コピーは最終形態ですし。
それよりもまず会社を理解するためです。仕事を理解するためです。
そして、その会社で働く人たちが何を大切にしているのかを見つけるためです。
採用で苦戦している会社ほど、「もっと知名度を上げなければ」と考えます。
でも本当に必要なのは、認知でしょうか。
もしかすると、「どんな会社なのか伝わっていない」だけかもしれませんよね。
中小企業の採用は認知戦ではありません。理解戦です。
理解される会社は選ばれる。私はそう思っています。
【公式noteにて詳細公開中】
私がなぜ社員インタビューを重視するようになったのか。その原点となった35年以上前の採用現場の話は、公式noteにて詳しく書き下ろしています。ぜひあわせてご一読ください。
➔ noteを読む:『なぜ私は社員インタビューを重視するのか』
1961年生まれ。広島県広島市出身。広島修道大学中退後、リクルート、カーディーラーの採用・教育担当を経て、企業内の体質改善・採用・教育コンサルタント会社として、1991年2月有限会社オフィスCAN(現 株式会社カンドウコーポレーション)を設立。その後思い切った業態転換により、クリエイティブファームとしてのポジションを確立する。
福原 勘二のプロフィール