採用は「揃える」でうまくいく|カンドウの採用設計論

私の考える「揃える」採用について書き連ねてきましたが、一旦ここで締めます。
私がカーディーラーの採用担当者時代に気付き、その時はまた言語化できなかったことを自分で「言語化のプロ」と言ってるわけですので、ちゃんと体系化し言語化してみました。
ちょっと長いです・(^^;

採用がうまくいかない。この悩みを持つ会社は、本当に多いと思います。

応募が来ない。
来ても欲しい人材ではない。
欲しい人材だとしても自社に入社してくれない。
採用できたとしても続かない。
やっと入っても、思っていた感じと違う。どちらか一方が、ともすればお互いに「何か違う」と思い合う。

採用に関わる人であれば、どれか一つは必ず経験があるのではないでしょうか。

こうした話になると、多くの会社は原因を外に求めがちです。

知名度がないから。
条件が弱いから。
地方だから。
業界的に人気がないから。
若い人が減っているから。

もちろん、それらが影響していないとは言いません。実際、外部環境が採用に与える影響はあると思います。

ただ、私はいつも思うのです。

本当にそこなのでしょうか。
採用がうまくいかない理由をそうした外側の条件だけで語ってしまうと、一番大事なことを見落としてしまうのではないかと。

私は、採用がうまくいかない会社には、ある共通点があると思っています。

それは、「揃っていない」ということです。

理念がある。
事業がある。
採用ページもある。
社員もいる。

でも、それぞれがバラバラに存在している。

会社として言っていることと、現場で起きていることが違う。
採用で伝えていることと、入社後に感じることが違う。
経営者が大事だと思っていることと、社員が日々の仕事で優先していることが違う。

こういう状態は、案外外から見えるものです。

会社の中にいると気づきにくいのですが、外からは見えます。
そして求職者は、思っている以上にそこを見ています。

「何かいいことは書いてあるけど、しっくりこない」
「なんとなく違和感がある」
「悪くはないけど、自分に合う感じがしない」

こういう感覚で、静かに外されていくのです。

私は、採用とは人を集めることではないと思っています。
採用とは、「この会社は自分に合っている」と判断してもらうことです。

条件を見せることでもなければ、会社の魅力を並べることでもありません。
もっと言えば、「良く見せること」でもありません。

この会社は、どんな考え方で仕事をしているのか。
どんな人に向いているのか。
どんな価値を提供しているのか。
どんな人が力を発揮できるのか。

こうしたことが伝わって初めて、相手は判断できます。

でも、ここが曖昧な会社は少なくありません。

「いい人材が欲しい」と言う。でも、その「いい人材」が何を指しているのかは曖昧。

「うちは働きやすい会社です」と言う。でも、何がどう働きやすいのかは分からない。

「若手が活躍しています」と言う。でも、それがどんな人にとって魅力なのかまでは語られていない。

こうなると、言葉が浮いてしまいます。

採用において大事なのは、言葉の多さではありません。
情報量でもありません。

大事なのは、「意味が通っているかどうか」です。

例えば、「風通しがいい職場です」と言っても、それだけでは弱い。

風通しがいい。だから何なのか。

意見が言いやすいのか。
年次に関係なく提案できるのか。
上司との距離が近いのか。
スピード感を持って物事が動くのか。

そこまで言語化されて初めて、その特徴は価値になります。
そして、その価値が「誰に向いているのか」まで見えてくる。
これがないと、採用は全部ぼやけます。

私はよく、「だから何?」という話をします。

これは単なる言葉遊びではありません。
特徴を価値に変えるための魔法の問いです。(自分で魔法って言ってたら世話ないですが。^^;)

若手が活躍している。
だから何?
年齢や社歴に関係なく役割を持てる。
だから、早く成長したい人に向いている。

教育制度がある。
だから何?
未経験でも学びながら挑戦できる。
だから、経験よりも意欲で勝負したい人に向いている。

ここまで言えて初めて、「おすすめする理由」が生まれます。

今の時代、採用は単に求人を出せば何とかなる時代ではありません。

求職者は、企業を比較しています。
しかも、表面的な情報だけではなく、その会社の「中身」を見ようとしています。

Webサイトを見て、社員の声を見て、SNSを見て、口コミを見て、面接で感じた空気を含めて、「この会社はどういう会社なのか」を総合的に判断しています。

つまり、採用とは、会社の実態そのものが問われる行為です。

採用サイトだけ整えてもダメなのはここです。
見せ方だけ整えても、実態が揃っていなければどこかでズレが出る。

逆に言えば、揃っている会社は強い。

大きくなくてもいい。
有名でなくてもいい。
派手でなくてもいい。

でも、言っていることとやっていることが一致している。
経営者の考えと現場の感覚が大きくズレていない。
社員の言葉に無理がない。
採用で伝えていることが、入社後にもちゃんと感じられる。

こういう会社は、選ばれます。

ここで大事なのは、「整える」と「揃える」は違うということです。

整えるとは、見やすくすることです。
整理することです。
体裁を整備することです。

もちろん、それも必要です。でも、それだけでは本質は変わりません。

揃えるとは、中身を一致させることです。

理念を揃える。
認識を揃える。
言葉を揃える。
方向性を揃える。

これができて初めて、整えることに意味が出ます。

採用で本当にやるべきことは、見せ方の改善よりも先に、この「揃える」ことだと思っています。

では、何を揃えるのか。

私は、大きく3つあると思っています。

一つ目は、方向性です。

会社がどこに向かっているのか。
何を大事にしているのか。
何のために仕事をしているのか。

これが曖昧な会社に人は集まりません。
仮に集まっても長くは続きません。

二つ目は、価値観です。

何を良しとするのか。
何を大切にするのか。
どんな判断をする会社なのか。

ここがズレていると、日々の仕事の中で違和感が積み重なります。

三つ目は、言葉です。

同じ言葉を同じ意味で使えているか。
経営者が話す「成長」と、社員が感じている「成長」が同じものなのか。
採用ページに書いてある「やりがい」と、現場が思う「やりがい」が同じものなのか。

言葉が揃っていない会社は、伝わりません。
伝わらない会社は選ばれません。

採用がうまくいかないとき、施策の前に考えるべきことがあります。

自分たちは揃っているだろうか。

誰に来てほしいのか。
なぜその人に来てほしいのか。
その人に何を提供できるのか。
その人はうちで本当に力を発揮できるのか。

ここが曖昧なままでは採用は運任せです。

たまたま合う人が来ればうまくいく。
でも、再現性がない。

それでは、採用は安定しません。

採用を安定させるには、会社の中にあるものをきちんと揃えていくしかありません。

それは面倒なことです。時間もかかります。時には、自分たちの曖昧さと向き合うことにもなります。
でも、そこを飛ばして採用だけうまくやろうとしても、無理があります。

採用は会社の姿そのものが出る場所です。
だから私は採用サイトを作っているという感覚では仕事をしていません。
求人広告の手伝いをしている感覚でもありません。

やっているのは「選ばれる理由を設計すること」です。

この会社は誰に向いているのか。
どんな価値があるのか。
なぜ選ばれるのか。
なぜ続くのか。

それを整理し、言語化し、伝わる形にする。これが、採用設計だと思っています。

採用は「揃える」でうまくいく
これはきれいごとではなく、現場を見てきた中で辿り着いた実感です。

採用がうまくいかない会社ほど、デザインや媒体の前にまず見直すべきことがあります。
それは自分たちの中にあるズレです。

逆に言えば、そこが揃ってくると採用は変わります。
言葉が変わります。
伝わり方が変わります。
選ばれ方が変わります。

採用は整えるものではありません。

揃えるものです。

そして、その「揃える」ができた会社から、これからの採用は強くなっていくのだと思います。
採用がうまくいかない理由はWebサイトではありません。

その前にある「整理」と「言語化」にあります。
私たちは、採用サイトを作っているのではなく、「選ばれる理由を設計すること」をしています。

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EDITOR

福原 勘二
  • 代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者)
  • エグゼクティブ・ビジネスデザイナー
  • 兼ストラテジックパートナー

1961年生まれ。広島県広島市出身。広島修道大学中退後、リクルート、カーディーラーの採用・教育担当を経て、企業内の体質改善・採用・教育コンサルタント会社として、1991年2月有限会社オフィスCAN(現 株式会社カンドウコーポレーション)を設立。その後思い切った業態転換により、クリエイティブファームとしてのポジションを確立する。

福原 勘二のプロフィール
082-509-3322

まず、「誰が嬉しいのか?」を
一緒に考えることから始めます。

表面的な症状ではなく、その奥にある構造から一緒に考えます。
ウェブ・デザイン・言語化・伴走。手段はその後についてきます。

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