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なぜ実績がある会社ほど言葉が弱くなるのか

言語化のプロを自認してますが、長くやっている会社ほど、実は言葉が弱くなることがあります。

これは意外に思われるかもしれません。

実績もある。
経験もある。
知識もある。

本来なら、説得力が強くなりそうです。

でも実際には、長年やっている会社ほど、言葉が抽象的になっていくケースがあります。

なぜか。「分かっている前提」で話してしまうからです。

例えば、私の大好きなキャンプの世界。そしてヴィンテージランタン。
いわゆるランタンですが、私が所有しているヴィンテージランタンとは、1930年後期から1940年前期までのランタンが人気のギアです。

好きな者同士なら、「176eです」「ORKAN666を持ってるだなんて凄いっ!」だけで会話が成立します。
先日のキャンプイベントでもビンテージランタンの愛好家たちが、なぜか私のキャンプサイトに次々と見せびらかすように(笑)ランタンを持ち寄り、まさに専門用語の羅列で盛り上がっていました。

でも興味がない人からすると、何が違うのか全く分からない。何を言ってるのかチンプンカンプン。

なぜ価値があるのか。
何が珍しいのか。
どこが凄いのか。
歴史背景はどんなのか。

そこを説明しないと伝わらない。
でも、詳しい人ほど、そこを飛ばしてしまう。
「分かるでしょ?」になってしまうんです。

これ、実は会社でも同じです。

長年やっている会社ほど、「業界では当たり前」の感覚が強くなります。

すると、説明を省略するようになる。

例えば建設業。

「耐震等級」
「ベタ基礎」
「許容応力度計算」

業界では普通の言葉です。
でも一般の方からすると、何がどう違うのか分からない。

Web業界でもそうです。

「CMS」
「UI/UX」
「SEO」
「AEO」
「LLMO」

業界の人間からすると普通の言葉ですが、初めて相談する人からすると正直よく分からない。

でも長くやっている会社ほど、そこを説明しなくなる。

なぜなら、自分たちの中では「分かっていて当たり前」になっているからです。

結果、どうなるか。

言葉がどんどん抽象化していきます。

・高品質
・安心
・信頼
・実績豊富

もちろん間違ってはいません。

でも、景色が見えない。

何がどう高品質なのか。
なぜ安心なのか。
どんな時に頼れるのか。

そこが見えないから、伝わらない。

つまり、実績がある会社ほど、「説明不足」に気付きにくくなるんです。
しかも厄介なのは、本人たちはちゃんと説明しているつもりなことです。
でも実際には、「前提」を共有している人にしか伝わらない言葉になっている。

ここで重要なのは、説明を増やすことではありません。相手の解像度に合わせることです。

つまり、「相手は何を知らないのか」を理解すること。

選ばれる会社は、ここが上手い。
自分たちが話したいことではなく、相手が判断できるように話している。

だから伝わる。

そしてAI時代になると、この「分かっている前提」はさらに危険になります。

AIは空気を読んでくれません。

「何をしている会社なのか」
「誰向けなのか」
「何が違うのか」

そこが具体的でないと、理解されにくい。

つまり、抽象的な会社は、AIにも伝わりにくいんです。
逆に、具体的な景色が見える会社ほど、AIにも理解されやすくなる。

結局、実績があることと、伝わることは別です。

むしろ実績がある会社ほど、「分かっている前提」を疑わなければいけない。

そこを言語化できた会社が、これからさらに強くなっていくのだと思います。

私もAIとまだそこまで仲良くない頃に言われたんです。

「あんたさあ、社歴35年で、Web業界では広島では最古参らしいじゃん。なんでそれ言わない(書かない)の?」
「バブル崩壊もリーマンショックも、あの新型コロナだって乗り越えてきたんでしょ?」
「元リクルートでカーディーラーで実務経験もしっかり積んでるのに、なんでそれ言わないかなあ」
「あんた、広島というマーケットだったら、元リクルートで採用担当の実務経験者の制作会社社長(会長ですが)はいないよ」
「あんたはただ作るだけじゃなくて、設計が武器じゃん。言語化が武器じゃん。ちゃんとそれを書かないとユーザはわからないよ」
「採用サイト作れますじゃなくて、あんたは辞めない採用を設計できますと胸張んなさいよ」
「辞めない採用が設計できるだけのバックボーンを、ちゃんと書きなさい!」

ようはどこかに書いてるから知ってくれている、という前提にならないこと。

ということを教えてくれました。
(口調は脚色ですが言ってくれた内容は超リアルです)

実績があったとしても、ちゃんと伝わるように書かないとダメという見本でした。(^^;
それで35年の歴史だけではなく、起業のきっかけを与えてくれた採用・教育担当者時代の話や、「辞めない採用」に至った経緯を、このコラムで書き始めたんです。
そしたら出るわ出るわ。
言葉が溢れ出てきたんです。

気が付いたら「広島の中小企業が採用Webサイトで成果を出すための完全ガイド【2026年版】」なんてものまで書き始めました。
ちょっとした小冊子です。(^^ゞ

私自身が言葉が弱くなっていたんですね。(^^;

EDITOR

福原 勘二
  • 代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者)
  • エグゼクティブ・ビジネスデザイナー
  • 兼ストラテジックパートナー

1961年生まれ。広島県広島市出身。広島修道大学中退後、リクルート、カーディーラーの採用・教育担当を経て、企業内の体質改善・採用・教育コンサルタント会社として、1991年2月有限会社オフィスCAN(現 株式会社カンドウコーポレーション)を設立。その後思い切った業態転換により、クリエイティブファームとしてのポジションを確立する。

福原 勘二のプロフィール

採用Webサイト完全ガイド 連載中

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読んでほしい。

広島の採用担当者・経営者のための設計論。
テクニックではなく、本質から。全8章・随時更新。

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ウェブ・デザイン・言語化・伴走。手段はその後についてきます。

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