差別化しようとする会社ほど埋もれる理由
マーケティングの話になると、よく出てくる言葉があります。
「他社との差別化が必要」です。確かに間違ってはいません。
でも実際には、「差別化しよう」とするほど埋もれてしまう会社があると思うんです。
なぜか。
多分、意識的に違いを作ろうとするからだと思うんです。
例えば、
・高品質
・スピード対応
・丁寧なサポート
こうした言葉を並べる会社は多いです。
でも実際には、そこまで大きな違いがないケースも少なくありません。
だから埋もれる。
一方で、本当に選ばれている会社は、尖り切っています。私の言うところの「エッヂを立てろ!」です。
例えば、短納期に特化する。
しかも、ただ「早い」ではありません。
社内体制そのものを、短納期対応に最適化している。
小ロットにも対応する。
レスポンスも徹底的に早くする。
前々から「短納期でお願いしよう」と考えている会社は、実はそんなに多くありません。
多くは突然です。
急にトラブルが発生した。
想像以上に設計に時間が掛かってしまった。
納期が間に合わない。
こういうケースです。
しかも、それは大体夜です。
だから夜遅くの問い合わせにも対応できるように、社内の仕組みそのものを変えてもらいました。
つまり、言葉だけではなく、経営そのものを尖らせていったわけです。
ここまで行くと、それは単なる「差別化」ではありません。
ポジションになります。
逆に言えば、多くの会社は「違うことを言おう」としています。
でも本当に強い会社は、「違うことをやっている」。
ここに大きな差があります。
そしてもう一つ重要なのは、顧客が見ているのは「違うかどうか」ではないということです。
顧客が見ているのは、「自分に関係あるかどうか」です。
ここ、かなり重要です。試験に出ます。(笑)
例えば、ある会社が「対応が早い」を強みにしていたとします。
でも、それだけでは意味が曖昧です。
何と比べて早いのか。
どこまで対応してくれるのか。
夜中でも対応するのか。
翌営業日なのか。
そこが見えないと、顧客は判断できません。
さらに言えば、全員が「早さ」を求めているわけでもありません。
多少時間が掛かっても、じっくり相談したい人もいる。
つまり、強みとは絶対的なものではない。
「誰にとって価値になるか」で変わります。いわゆる、ターゲティングと強みの関係性です。
だから本来必要なのは、単なる差別化ではなく、「意味化」だと思っています。
誰に対して、
どんな価値があって、
なぜ選ばれるのか。
そこが明確になった時、初めて違いとして認識されます。
逆に、ここが曖昧だとどれだけ特徴を並べても埋もれてしまう。
さらに厄介なのは、差別化を意識しすぎると、「尖った言葉」ばかり探し始めることです。
でも実際には、顧客はキャッチコピーで選んでいるわけではありません。
「自分に合うかどうか」を見ています。
つまり重要なのは、派手な言葉ではなく、納得できる理由です。
そして、差別化とは、目立つことではありません。誰かにとって意味がある状態を作ることです。
結局、選ばれる会社は、「違い」を作っているのではないと思っています。
「なぜこの会社なのか」をちゃんと理解できる状態を作っているのです。
EDITOR
- 代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者)
- エグゼクティブ・ビジネスデザイナー
- 兼ストラテジックパートナー
1961年生まれ。広島県広島市出身。広島修道大学中退後、リクルート、カーディーラーの採用・教育担当を経て、企業内の体質改善・採用・教育コンサルタント会社として、1991年2月有限会社オフィスCAN(現 株式会社カンドウコーポレーション)を設立。その後思い切った業態転換により、クリエイティブファームとしてのポジションを確立する。