広島の中小企業のための
採用サイト完全ガイド
「採れる採用サイト」をつくる設計の全体像
公開

「採れるサイト」の設計を、6つの観点とワークシートで整理します。採用ブランディング、ペルソナ、コンセプトの言語化、給料以外の3つの動機、3ヶ月の心の動きを描く導線設計、ミスマッチ防止を取り上げます。
- 採用サイトの設計で目指すのは、会社と求職者の認識を揃えること。会社に合う人には「この会社は自分に合っている」と思ってもらい、合わない人には「自分には合わない」と伝わるようにする。
- 採用ペルソナとして、呼びかける相手を、仕事に何を求め、何に不安を感じているかまで一人の人物として描く。その人に向けて、「なぜここで働くのか」を一言で言える形にし、成長・人間関係・意味という給料以外の働く理由を伝える。
- 求職者は、知る、気になる、他社と見比べる、納得する、応募するという段階を踏み、サイトを何度も見に来て判断する。段階ごとに、それに合うコンテンツを用意しておく。
- 設計の範囲は、応募までではなく入社後の活躍まで。いいことだけでなく大変なことも書いておくと、入社後の「思っていたのと違う」を防げる。
「採用ブランディング」とは何か
採用ブランディングとは、求職者に「この会社は自分に合っている」と思ってもらうことです。ロゴを整えることでも、おしゃれなサイトを作ることでもありません。
裏返せば、「この会社は自分には合わない」と思ってもらうことも含みます。ここを曖昧にすると、誰にも嫌われないけれど、誰にも選ばれない会社になります。
採用で問われるのは、応募の数より、会社に合う人かどうかです。だから、「誰に来てほしいか」を明確にしておく必要があります。
採用ペルソナの作り方(具体例3パターン)
採用ペルソナとは、採用サイトで呼びかける相手を、一人の人物として具体的に描いたものです。年齢や前職だけでなく、仕事に何を求め、何に不安を感じているかまで書きます。採用サイトは、このペルソナに向けて設計します。
「新卒も中途も、未経験者も経験者も、誰でも歓迎です」と書かれた採用サイトは、一見、間口が広く優しく見えます。しかし求職者は、「自分に向けられたメッセージではない」と受け取ります。
人は、自分に向けて書かれた文章にしか反応しません。「あなたのような方を待っています」と具体的に書かれていると、「自分のことかもしれない」と感じます。そこで初めて、応募に踏み出すのです。
ペルソナの実例を挙げてみます。中途採用は年齢、性別、前職の経験などが複雑に絡むため、ここでは中途採用を例にします。新卒の場合は、実際に自社で採用して活躍している社員の価値観や考え方の癖から、ペルソナをつくる方法が適しています。
パターン1
未経験からチャレンジしたいタイプ
- 25歳、前職は営業
- 成果は出していたが、働き方に疑問
- 手に職をつけたいと考えている
- 教育体制を重視している
この人にとっての価値は何か?
なぜこの会社を選ぶのか?
パターン2
安定志向で長く働きたいタイプ
- 30代前半、既婚
- 転職はこれで最後にしたい
- 収入と安定性を重視
- 職場の人間関係を気にする
この人にとっての不安は何か?
何を見れば安心するのか?
パターン3
専門性を高めたい経験者タイプ
- 30代後半、同業経験あり
- よりレベルの高い仕事を求めている
- 裁量や自由度を重視
- 評価制度に敏感
この人は何に納得すれば動くのか?
採用コンセプトの言語化:「なぜここで働くのか」を一言で
採用コンセプトは、「なぜここで働くのか」を一言で言える形にします。一言で言えれば、「この会社で働く意味」がすぐに伝わります。
一言にまとめるには、「若手が活躍しています」「教育制度があります」のような言葉に、それぞれ「だから何?」と問いかけます。そうして掘り下げていくと、「未経験でも3年で一人前になれる環境がある」のような「働く理由」に変わります。
「働く理由」の設計:給料以外の3つの動機
給料以外で人が働く理由は、成長・人間関係・意味の3つに分けられます。
動機1
成長
- スキルが身につく
- 市場価値が上がる
- 将来の選択肢が広がる
動機2
人間関係
- 誰と働くのか
- どんな価値観の人たちか
- 安心して働けるか
動機3
意味
- 何のための仕事か
- 社会にどう貢献しているか
- 自分の仕事に納得できるか
応募までの導線設計:求職者の3ヶ月の心の動きを描く
導線は、求職者が段階を踏んで判断することを前提に、段階ごとに合うコンテンツを用意して設計します。求職者は、一瞬で応募を決めるわけではありません。この流れを考えずに「応募してください」と呼びかけても、求職者は動きません。
- 認知(知る)
- 興味(気になる)
- 比較(他社と見比べる)
- 確信(ここが良いと納得する)
- 行動(応募する)
それぞれの段階に合うコンテンツがあるかを確かめてください。たとえば次のような組み合わせです。
- 興味段階 → 社員インタビュー
- 比較段階 → 数字や制度
- 確信段階 → 代表メッセージ
もう一つ考えておきたいのが、判断にかかる時間です。
転職を考え始めてから内定を受けるまでの期間は、「3カ月未満」が約7割です。その数週間から数ヶ月のあいだに、求職者は採用サイトを何度も見に来て判断します。
出典:マイナビ「転職動向調査2026年版(2025年実績)」(2025年12月調査・2025年に転職した正社員1,446名)
1回見て終わりではないので、「何度も見られる前提」で設計する必要があります。
入社後の活躍まで設計に含める:ミスマッチを防ぐ
採用は、「入社」で終わりではありません。「活躍して、続くこと」までが採用です。だから採用サイトには、大変なことも書き、向いていない人も明示しておきます。
多くの企業は、採用は採用、教育は教育と切り分けて考えます。しかし実際には、この二つはつながっています。いいことしか書かず、リアルを見せないサイトを見て入社した人は、「思っていたのと違う」と感じるでしょう。
退職理由は入社後に生まれるのではなく、入社前にすでに存在しています。
大変なことや向いていない人まで書くと、応募が減りそうに見えますが、合わない人が来なくなり、合う人だけが来るようになります。
私たちが「辞めない採用」を掲げているのも、会社と働く人の双方にとっての不幸を、防げるなら防ぎたいからです。
ワークシート:あなたの会社の採用設計を考える5つの問い
自社の採用設計を考えるときは、次の5つの問いの答えを書き出してみてください。
採用設計ワークシート
- あなたの会社はどんな人に来てほしいですか?年齢ではなく、価値観・考え方で
- その人はなぜあなたの会社を選ぶ必要がありますか?他社ではなく「ここ」である理由
- その人は入社後どんな未来を手に入れますか?3年後、5年後の姿
- 逆にどんな人は合いませんか?ここを明確にする
- あなたの会社で働く「リアル」は何ですか?良いことも、大変なことも含めて
採用は、揃えることです。
会社の想いと求職者の期待を揃え、働く現実と入社前のイメージを揃える。
この二つができて初めて、採用はうまくいきます。
この章のチェックポイント
- 採用ブランディングとは、求職者に「この会社は自分に合っている」と思ってもらうこと
- ペルソナを具体的に決めると、何を伝えるべきかが見えてくる
- 「だから何?」と問い直し、なぜここで働くのかを一言で言える形にする
- 給料以外の働く理由を、成長・人間関係・意味の3つで設計する
- 求職者は数週間から数ヶ月かけ、サイトを何度も見に来て判断する。何度も見られる前提で導線を設計する
- 大変なことも伝え、入社後の活躍まで設計に含めるとミスマッチを防げる
次は、採用サイトに欠かせない8つのコンテンツについてお話しします。
第4章採用サイトに必須の8つのコンテンツ第3章に関連するよくある質問
中途採用と新卒採用で採用サイトの作り方は変わりますか?
中途採用と新卒採用で採用サイトの作り方は変わりますか?
変わります。ターゲットが異なるため、伝えるべき情報・言葉の選び方・コンテンツ設計が大きく異なります。
新卒採用では「社会人になるイメージ」を持てない学生に対して、入社後の成長・先輩の姿・職場の雰囲気を伝えることが重要です。中途採用では「今の環境を変えようとしている社会人」に対して、スキルの活かし方・具体的な業務内容・キャリアパスを明示することが求められます。
- 新卒向けで重要なコンテンツ
- 先輩社員インタビュー・入社1〜3年目の声・研修制度・1日の仕事の流れ・オフィス環境・福利厚生
- 中途向けで重要なコンテンツ
- 業務内容の詳細・前職からの転職事例・給与レンジの目安・キャリアパス・マネジメント方針
- 共通して重要なこと
- 代表メッセージ・会社の価値観・求める人物像(良いことだけでなく正直に・具体的に)
「新卒も中途も同じサイトで対応」は一見コスト効率が良さそうですが、双方に中途半端な印象を与えやすいです。
同じURLでも、ページごとに読者を意識したコンテンツ設計にするだけで大きく改善します。
この考え方を前提に、広島の採用市場や成功事例をまとめています。↓
広島で応募の質を上げるには具体的にどうすればいいですか?
広島で応募の質を上げるには具体的にどうすればいいですか?
応募の質を上げるためには、応募数を増やすことよりも「誰に来てほしいのか」を明確にすることが重要です。
多くの企業は応募数を増やそうとして情報を広く発信します。しかし対象が曖昧になるほど、自社に合わない人からの応募も増えやすくなります。
まずは、自社で活躍している社員に共通する特徴を整理し、どのような価値観や考え方を持った人が向いているのかを明確にします。その上で、仕事内容だけではなく、仕事のやりがいや大変な部分、求める人物像まで正直に伝えることが大切です。
応募の質が高い会社は、良いことだけを書いているわけではありません。入社後の姿を具体的にイメージできる情報を発信し、会社と求職者の認識を揃えています。その結果として、定着率の高い採用につながっています。
広島の採用市場や成功事例をまとめています。↓