2006年8月28日(月)14:36
経営者の約束
どんな約束でも「守る」というただ単純なことで、「あいつは信用できる」と言われ、逆に約束を破ると「結局、口ばっかりじゃん」と信用されなくなります。
そんな当たり前のことなのに、経営者には「朝令暮改も必要だ」という便利な言葉で約束を反故にしたり、簡単に変更したりする人が多いような気がします。
しかも困ったことに「朝令暮改こそ経営者の善である」という考え方です。
言いたいことは分かります。刻々と変化するマーケットや環境に合わせ、朝言ったことでも、瞬時に変更・修正・取り消しできる強さが必要だとも思います。
確かに戦略・戦術面でその時の風を読み、確固たる信念を持って「やっぱりこっちだ」も必要ですからね。
でもメンバー(他社で言うところの従業員や社員と言った人たち)との約束を、何の悪びれることもなく反故にした場合、どういうことが起こるでしょうか。
ボクはいくつかの会社のブランディング研修、ブランドの再構築をスーパーバイズさせていただいています。当然、そこには会社の社長にも参加していただくことが殆どです。その社長がプロジェクトメンバーに対して約束をすることがあります。
「ブランドプロミス(企業・商品ブランドの顧客、従業員、取引先に対する約束)を一緒に学んでいますから、経営者の約束というのはとても大きな意味があることは明白です。社長も分かってるハズです。
そんな中で簡単な口約束とはいえ、反故にしてしまうとメンバーのモチベーションは途端に落ちてしまいますよね。「カグン」っていう音が聞こえるくらいです。(^^;
で、彼らは何と言うか・・・。
「いいこと言うけど、実行しない」「社長の言うことは当てにならない」・・・です。
経営者の約束というのはそれだけ重たいと思っています。
ちょっとした口約束でも相手はちゃんと覚えています。
酔った勢いで言ったとしても、それは一緒です。
もしどうしても反故にしないといけない場合、つい経営者は弁が立ちますから自分を正当化しがちです。
いかにも悪いのはお前だ!の如く、約束を保護にすることが正しいかの言い回しです。(^^;
これは最悪の結果を招きます。
「はいはい・・・、どうぞ好きに言ってください」という諦めの境地に彼らを追いやってしまうことになりますし、表立っては普通に振舞っていても、心の底から社長を信じることはもうありません。
たった一言、「ごめん、そう約束したんだけど、叶えられそうもない」って謝るだけでも違ってきます。
時間もそうです。約束の時間がアポイントですから、それを守るのは当たり前で、それを守らない人は「信用できない人」というレッテルをボクは貼ってしまいます。
たかがアポイント、されどアポイントです。
ボクもずっと気になっている約束があります。絶対に果たさないと「お前も一緒じゃん」って言われます。(^^;
とある大型サイトの打ち上げに天ぷらを食べに行こうと約束したものの、その後の忙しさ(言い訳)にまだ実現しないままになっています。
もちろんそれ以外に何度もみんなで食事をする機会もありました。
ただこの約束は「天ぷら」であり、「彼」と交わしたものなんですよね。
時効になる前に必ず実行しようと思っています。
親父の去年の命日にした約束、まだ守れていません。(^^;
故人とはいえ、約束は約束。さて、いつの時点で実行しましょうか。
8月28日 親父の命日に想う