2004年10月19日(火)17:45
約束のワイン
一本のワインを大切に保管していました。このワインを保管するためにワインセラーを買ったと言っても過言じゃないくらい、大切な想いと共に寝かせていました。
「シャトー・ラ・トゥール」という名前のワインで、ヴィンテージは88年。16年前の水と葡萄です。
このワインの価値がどうのこうのとかを書くつもりはありません。
ただこのワインは「約束のワイン」だったこと、そしてそれを開栓することができたことに意味があります。
高校時代、大学時代の友達とも交流はありますが、やはりある程度の大人になってからの友達は、価値観の共有ができることもあり、とても大切な友達になります。
仕事がご縁で出逢った同級生でしたが、大学こそ違えど同じ頃ロックバンドに汗を流し、ロックに情熱を懸けていたオトコとの距離が埋まるのには、そう時間は必要ありませんでした。
そして何より笑ったのが(本当は笑えないのですが)、同じ病気を患っていたということです。
そしてボクはキャリアのままで、彼は若い頃からずっと発病していました。そしてワイン談義に花を咲かせていた頃、彼はまたその病で苦しむことに。
入院し、かなりしんどい治療を繰り返し行うひとになりました。退院してからも、ほぼ毎日通院です。
入院する前だったと思いますが、彼と一つの約束をしました。
この病気と闘う彼に対して、ボクが出来る小さな小さな約束でした。
それは「ラトゥールというワインがある。むっちゃ美味しい(ハズ)ワインだ。これをキミの病気が完治した暁には、一緒に開けよう」(広島弁で言ってますが/笑)という約束です。
それから彼はその病と闘い、ボクはワインを愛でる日々(笑)が続きました。
昨日、ボクの大好きなレストラン・ジェランでそのラトゥールを開けることができました。(^^)
そう、彼は確かに病に屈せず、元気な姿でボクの前に現れました。
固い握手と、ワインの約束、そしてヤツの最高の笑顔。それだけで至福のご馳走なのに、料理もラトゥールに負けず劣らず「約束のワイン」を盛り立ててくれました。
柴田浩喜という侍に・・・乾杯っ!!!