2011年6月21日(火)12:00
クーポンビジネスについて
最近、グルーポンやリクルートが運営しているポンパレ等についての見解を求められることが多く(と言っても去年ほどではないですが)、つい先日もアドマンと議論を交わしたこともあり、福原的見解を書いておこうと思います。
定価10,000円の商品を50%オフで販売(クーポン)し、お客様は5,000円でその商品なりサービスを享受できるというものですが、運営会社はその5,000円の半分を手数料として持って行くのが通例です。
ということは、お店は2,500円の売上しかないことになります。
そもそも2,500円でペイできるなんてことはないハズなんですよね。
通常10,000円の商品なりサービスの原価が25%でとんとんベースの計算になりますし。
となると新規ユーザ獲得のプロモーションと割り切って使うというのが一般的ですが、リピートしていただくための仕掛けが殆どなかったり、元を取ろうとしてか過剰な売り込みに走ったりして、それがマイナスの口コミを招いているのは紛れもない事実です。
もし本当に通常10,000円の価格のモノをちゃんと2,500円で提供しているとすると、飲食の場合アルコールや他のモノで帳尻を合わせようと考えるのが常です。
エステがよく掲載されていますが、家庭用のマッサージオイル&クリームや、高いコースの提案をされたりして、「ずっと営業の話だった」とうんざりしているユーザの声がよく取り上げられています。
そしてそれらのユーザがそのお店に行く動機は「安いから」だけです。それ以上でも以下でもない。
そういうお客様ってリピートしにくいんですよね。(^^;
お店が欲しいお客様は
・当然リピートしてくれて、、、
・次回から定価で来店いただけて、、、
・口コミなんてしてくれたら最高
そんなお客様が欲しいハズです。
でも来店動機が「安いから」「お得だから」というお客様はよほど気に入るか何かがない限り、リピートしないものなんです。
「クーポンビジネスで儲けるのではなくて、新規顧客獲得して、そしてリピートしてもらいましょう」っていう営業話法ですが、お客様の層が違う。「欲しいお客様=クーポンで来店されるお客様」じゃないんです。
誤解を恐れずに書いてしまうと、そもそもクーポンを発行するお店の商品やサービスを定価で買おうと思うかどうかだと思います。50%オフで一度体験してしまうと、25%オフでも高く感じるものです。
ましてやクーポンを発行しているお店で定価を支払うなんてバカバカしく感じるハズです。
一度も利用したことがないボクが言うのは当然全てではありませんし、クーポンビジネスでの成功事例があるのも事実なんですけど、年末のお節事件といい、そもそも50%オフ(実際は75%オフ)でペイできる商売自体がなんかうそ臭いと感じられているのはボクだけではないみたいです。
フラッシュ・ケティングっていう新しい言葉だから、なんか目新しい手法に感じますけど、ホットペッパー等に代表されるクーポン系の雑誌やフリーペーパーと同じものですからね。
短時間(=フラッシュ。大体が24時間とか48時間限定のような)で販売される手法ですが、○○○マーケティングという言葉が先行するいつものパターンのような気がします。
さて、いつまではびこるか、ちょっとウォッチし続けたいと思ってます。
昨日のニュースでグルーポンのIPO情報が載っていましたので、本国アメリカではまだこれからって感じなのでしょうか。ボク的には数年持たないと読んでいるんですけどね。(^^;
IPO申請したことにより、赤字額等も公開されましたので、ますます「う~ん」と唸ってしまいますが・・・。この辺りはプロの見解をググると面白かったです。