2005年7月31日(日)12:03
ROIという考え方
ROIとは「Return On Investment」の頭文字を取ったもので、「投資対効果」という考え方です。投資した資本に見合う効果=利益が上がっているかを図る指標で、単純に利益を投資額で割ると出てくる数字ですね。
難しいことをここで語るつもりはないのですが、カンドウのようにヴィジュアルがメインだと思われているクリエイティブ会社は、このROIを無視していると考えられがちです。(^^;
「いいデザインさえできたら、ROIは我々には関係ない」というのは、その昔、いい(色んな解釈がありますが、この場合はデザイン的にいい)ホームページさえ作ったら、それで満足していた「それ」に似ています。
ROIを考えた時、クライアントが考えるのは、まずは投資額を抑えるということです。より少ない投資で、少しでも多くの利益を上げることがROIの基本でもありますし。
デザインだけを見栄えのいいものにするために、ちょっとデザインをかじったことのある人にデザインをさせ、いいホームページができた・・・と喜ばれている姿を何度も見てきましたが、そこはROIという概念すらなく、「ホームページができたこと」に満足を覚えられています。もう「あるだけ(存在するだけ)のホームページ」には何の意味もなくなっているのですけどね。(^^;
今でも画像をそのまま貼ったり、テキストさえも紙モノから画像を引用したWebサイトが横行しています。当然そこにはブランディングなどという概念があろうはずもなく。(^^;
カンドウは常に勉強会を実施しています。
グラフィックデザインが担当の者にもWebのHTMLがどうしたこうした、やれXHTMLはどうだこうだ・・・とチンプンカンプンの話さえ聴かせますし、プランナーにとってはあまり関係のない話をテーマにすることだってあります。
それは最新のデザインやHTML、マーケティングを学ぶことにも意味がありますが、常に学ぶ姿勢にこそ意味があると思っています。
カンドウのROIは近未来で見ると非常に悪いと思っています。時間の投資、お金の投資、労力の投資、ほんっと投資ばかりです。無駄と思えることにも、投資していますしね。
「CANDOクレド」もそういう意味からいうと、かなりの投資になります。
一見無駄に見えるこの投資も、カンドウブランドを徹底して確立するという目的からすると、避けては通れない投資ですし、時間は掛かったとしても、 この投資は我々に返ってくると自信を持っています。
目先だけのROIに捉われてしまうと、結局は少ない投資を繰り返し、そこに無駄が生じてしまうこともあり、そこのバランス感覚が大切になってきます。そこを俯瞰から眺め、「安かろう悪かろう」にならにない投資を意識しなければなりません。
カンドウも「ホームページができた」ことに満足していた時期がありました。
デザインが派手で、他社がやっていないデザインが、Webデザインだと思っていた時期もありました。
クライアントにとってのROIこそ、頭の中、意識の中にあったにしても、具体的にどうすればROIがいい値になるか知らなかった時期もあったのです。
こういう時期に悩んで悩みぬいて、色んな試行錯誤をしてきたからこそ、「クライアントの失敗事例を作らない」「失敗事例となる仕事は受けない」という姿勢に繋がったのだと思います。どこを目的にして、それを達成するための投資が適正であるか、を我々は常に考えるクセを付けてきたとでも言いましょうか。う~ん、ROIって深いですね。
頑なにカンドウの姿勢を貫くこと=カンドウのブランドを作ること(守ること)に繋がっていっていると思いますし、クライアントにとってのROIを意識しないワークはこれからも「あり得ない」と断言し続けていきたいですね。
強い意志を持って・・・。(^^)V
逆もまた真なり、投資なきところに効果はありません。(以下、長文失礼します!)
日本経済がイマイチな状況下なのでなおさらなのかもしれませんが、投資をしようとせず、効果やオイシイところだけを得たいと考える企業や人が、とても多くなりました。
「こんな効果を出したい、でも、予算はほとんどない。何とかこの範囲でやってくれないかなぁ~。」 と相手の価値を無視した依頼をし、それで思った効果が出なければ 「彼のやり方が悪かった、契約延長はなし!」 と責任を負わせて切り捨ててしまえばいいとする仕掛けが、あまりにも多すぎます。
ある程度の効果を得るためには、どんな素晴らしい人が担当したとしても、最低限仕掛けに必要なコストというものがあります。
それを用意できないなら、期待する効果を減らすべき。予算がないけれど 「仕事、欲しいでしょ?」 と持ちかけるのなら、それはもう騙しの世界です。
逆に、取引をしたいために、低予算で何も言わずに引き受けるほうにも問題がありますよね。報酬に対する成果という部分での「甘さ」や「いい加減さ」を感じます。
「その予算であれば、何とか頑張ってもここまでしか出来ませんが、ここまで最初のステップで持って行き、その収益で次の投資をして、二段階に分けて目標達成しませんか?」
きちんと効果を見据え、予算と照らし合わせることをした上で、堂々とこう言える相手に、仕事は依頼したいものです。
投資をせず効果ばかりを期待する側と、期待されている結果を出せるかどうかを算段せずに引き受ける側。
かと思えば、企業のネームバリューだけで、仕事内容に関わらず高額なフィーを払ったりもらったりすることが当たり前になっている人たちもいたり。
投資予算を、仕事の内容を、必要な仕掛けを、最終的な結果(効果)を、きちんと価値判断=レーティングできる “人財” が少なくなり、効果が出なかった際に自分以外(予算や相手の力量等)に責任転化できればいいとする “人在” が増えてしまったのが、今の日本経済に結果として現れているのではないかと。。。
投資したらその効果を、効果を望むならそれに見合った投資を。
それが、最高の、そして “ホンモノの” ビジネスだと思う私です。
#ちょっと原稿のアイディアに詰まったので、気分転換をさせてもらいました。さーて、原稿書きに戻ろうっと♪