2005年4月19日(火)11:09
売り気満々
営業マン時代、数字のプレッシャーに押し潰されそうになって、「もうイヤだ」とか「もうできない」って何度思ったか分りません。
「こんなに一生懸命説明してるのに、この媒体(元リクルートですから)の良さが分ってくれないなんて」と、挙句の果てにはお客さまのせいにしたこともありました。
媒体には絶対の自信を持っていましたから、良さが分ってない・・・って。
ほんっと今考えたら顔から火が出そうになります。(^^;
これでは売れるモノも売れなかったハズです。
独立したての頃から当分の間、サラリーマン時代の採用教育担当でなまっていた心と身体に鞭打ち、営業マンとして走り回っていました。
その当時はもう上述のような「イヤだ」って感じることは皆無でしたね。それどころか営業という仕事を楽しめていたと思います。
人にモノ(なんでもいいです)を売るのって「売りつける」と思うから、何かやましいことをしている感覚に陥ってしまい、気分的に中々上昇できないんですよね。
そう、「売りつける」って思うからなんです。
営業は売りつけるのではなく、お客さまの困っていることを解決しているのです。お客さまに喜んでいただける仕事なのです。
「こんにちは、○○○○は如何ですか?」はただの物売りと一緒です。
「こんにちは、何かお困りのことはございますか?」のスタンスで入っていけると、怖いとか、後ろめたいっていう感覚は全くなくなります。
「私にお役に立てることで、お客さまがより良くなれることのお手伝いをさせてください」
こういう気持ちでお客さまと向き合うと、その会社の訪問目的が「モノを売る」から、全く別の視点の「お客さまがより良くなる(売上が上がったり、利益が出たり、便利になったり、経費の削減ができたり)ことのお手伝い」をする」という目的に変わります。
サラリーマン時代の一発目、リクルート時代は飛び込み営業が主体でしたから、自分のモチベーション次第っていう部分がとても大きかったと思います。そのモチベートする部分が「媒体を売る」ではなく、「この媒体を使って、いい人材(中途採用を扱っていました)を採用していただき、その会社の売上アップや、会社そのものの組織活性化に一役買ってもらう」に変わった時、ボクはトップセールスになっていました。
それを「そう自分に言い聞かせる」のではなく、心の底からそう思っていましたし、自分という人間が関わることで、即戦力と言われた優秀な中途採用に成功し、業務拡大に繋がった・・・という実績が、本当の意味で自社媒体に自信が持てるようになったのだと思います。
冒頭部分の「媒体には絶対の自信」というのは、リクルートが持つ看板の力に自信を持っていただけです。その媒体を使ってどうするか、その媒体と自分のシナジー効果によって、どういう問題解決を提案できるか、そしてどれだけの自分のお客さまの成功実績(リクルートの実績ではなく)を積み上げられるか、が結局は自信に繋がるのだと思います。
若いベンチャー経営者によく言うのですが・・・
最初から損得を気にして事業をするのではなく、お客さまに喜んでいただいた実績を一つでも多く作ること。
そのためには、数字的に大きい小さいではなく、取引をしようと思っていただけたお客さまに対して、120%の力を注ぐこと。
そのお客さまが成功するまで、決して手を抜かないこと。
お客さまの「そこまでやってくれるんだ」と、常に期待値を上回ること。
若手のベンチャー経営者やSOHOさんに言いながら、再度自分に対してもこのことを今でも意識しようとしています。
目の前のお客さまを幸せに出来ずして、次のお客さまはない。
営業はこの繰り返しのような気がします。
ありがたいことに、今ではお客さまから「話を聞かせてほしい」と言っていただけます。飛び込みで100軒、やっと1軒が話を聞いていただけたかどうかの時代から考えると、ただただ「ありがたい」ことです。だからこそ、目の前のクライアントの成功を忘れてはダメなんですね。(^^)
さあ、まずは今のお客さまが満足していただいてるかどうか、そこに力を注ぐことができているかどうか、自分を振り返ってみましょう。もちろん、ボクも顧みます。